第二十三节 手にしたすべてが夢だとしたら(成长美纪好感剧情)
みき
来てくれたんですね。
大人のみき
ええ。こちらからも会いたいところでしたし。
それで、何の用ですか、私?
みき
……本当に、いたんですね。未来の私。
大人のみき
不思議なところですよね、エトワリアは。
みき
本当は、会わないほうがいいと思うんです。
未来を知ってしまうのはズルですから。
大人のみき
未来は、そこまで決まったものではないです。
大人のみき
私が、あなたの未来になるかは、
まだわかりません。
大人のみき
でもまぁ、知らないほうがよいだろうと思います。
みき
はい。でも……あなたに、私にしか
相談できないことがあるんです。
大人のみき
聞きましょう、私。
みき
私は、この世界の存在を……
疑ったことはありますか?
大人のみき
この世界、エトワリアを?
みき
はい。
大人のみき
……。
みき
……。
大人のみき
ありますよ。
みき
よかった……。私だけかと。
大人のみき
そうは言っても、私も私だから、
意味があるかはわからないけどね。
みき
それはそうですけど……不安なんです。
みき
この世界が、あまりにも優しすぎて。
まるで誰かが描いたおとぎ話みたいに。
みき
私たちは……
おとぎ話の登場人物なのかもしれない。
みき
赤の王様が目覚めたら消えてしまうような。
みき
もしかしたら……私は夢を見てるのかもしれない。
みき
あの懐かしい校舎のどこかで、
走馬灯を見てるのかも。
みき
あるいは……あのかれらに蝕まれた世界自体が、
幻想だったのかも。
みき
交通事故に遭って
どこかの病院で昏睡状態なのかも。
みき
そんなことを思って……怖いんです。
眠れなくなるんです。
みき
怖く、ありませんか?
大人のみき
もう怖くはないですね。
みき
え?
大人のみき
まず走馬灯仮説ですが、
図書館に行ったことはありますか?
みき
……? は、はい。
大人のみき
催眠術を使って、夢を見ている人に、
寝てるままで質問する実験があります。
みき
はい。
大人のみき
本を読んでる夢を見てる人に、その本を
読み上げてくれと頼むと、どうなると思います?
みき
事前に暗記してる本とかならできるかもしれません
けど……そうでないと難しいでしょうね。
大人のみき
その通りです。実験でも、読めませんでした。
大人のみき
人間の脳の処理力には限界がありますから、
夢の本を一字一句読み上げるのは無理なのです。
みき
そっか。これが走馬灯なら……
図書館に行けばわかる。
大人のみき
図書館にある本の内容を、
全部自分で思いつくことは無理でしょうからね。
大人のみき
一文字ずつ本を音読し、書き写しましたが、
矛盾や、怪しい点は見当たりませんでした。
みき
でも、そういう夢を見てる可能性はないんですか?
大人のみき
ないとは言いませんが、それを言ったら、
すべてが疑えてしまいますからね。
大人のみき
もちろん、夢でなくても、仮想世界、
VR的なものである可能性はあります。
みき
はい。
大人のみき
仮想世界の弱点は物理演算です。世界が処理落ち
するようなことをすれば、違和感が出るはずです。
みき
たしかに……。でも、どうやったんですか?
あれ、そういえばこの前、山火事が……。
大人のみき
結論として、大規模処理に相当する出来事でも、
処理落ちなどのバグは見つかりませんでした。
みき
(あ、目をそらした)なるほど……。
大人のみき
仮想世界とするには、この世界はディティールや
処理が細かすぎるというのが今のところの結論です
大人のみき
もちろん、ここが超高度な仮想世界である可能性は
否定できませんけど。
みき
なるほど……。あ、魔法はどうでしょう。
みき
魔法なら、本物そっくりの夢を
作れるかもしれません。
大人のみき
たしかに、そういう魔法はあるようです。
大人のみき
夢見の水晶玉に、魔法の遊戯本。
専門の人に聞くのが良いでしょうね。
みき
わかりました。今度聞いてみます。
大人のみき
まだ怖いですか?
みき
あ、そういえば……あまり怖くないです。
みき
そっか……。私、エトワリアが怖かったんじゃ
なくて……わからないことが怖かったんだ。
みき
未来の私は物知りなんですね。
大人のみき
ちょっと、旅をしただけですよ。
みき
旅……?
大人のみき
ええ。世界が少しだけ平和になって、
大人のみき
好きなところに好きなだけ歩いていけるように
なりました。
みき
それは……うらやましいです。
大人のみき
ここなら、旅ができますよ。
みき
そっか……。
大人のみき
怖いこと、わからないことがあったら、手がかりが
見つかるまで歩いていけばいいんです。
みき
来てくれたんですね。
大人のみき
ええ。こちらからも会いたいところでしたし。
それで、何の用ですか、私?
みき
……本当に、いたんですね。未来の私。
大人のみき
不思議なところですよね、エトワリアは。
みき
本当は、会わないほうがいいと思うんです。
未来を知ってしまうのはズルですから。
大人のみき
未来は、そこまで決まったものではないです。
大人のみき
私が、あなたの未来になるかは、
まだわかりません。
大人のみき
でもまぁ、知らないほうがよいだろうと思います。
みき
はい。でも……あなたに、私にしか
相談できないことがあるんです。
大人のみき
聞きましょう、私。
みき
私は、この世界の存在を……
疑ったことはありますか?
大人のみき
この世界、エトワリアを?
みき
はい。
大人のみき
……。
みき
……。
大人のみき
ありますよ。
みき
よかった……。私だけかと。
大人のみき
そうは言っても、私も私だから、
意味があるかはわからないけどね。
みき
それはそうですけど……不安なんです。
みき
この世界が、あまりにも優しすぎて。
まるで誰かが描いたおとぎ話みたいに。
みき
私たちは……
おとぎ話の登場人物なのかもしれない。
みき
赤の王様が目覚めたら消えてしまうような。
みき
もしかしたら……私は夢を見てるのかもしれない。
みき
あの懐かしい校舎のどこかで、
走馬灯を見てるのかも。
みき
あるいは……あのかれらに蝕まれた世界自体が、
幻想だったのかも。
みき
交通事故に遭って
どこかの病院で昏睡状態なのかも。
みき
そんなことを思って……怖いんです。
眠れなくなるんです。
みき
怖く、ありませんか?
大人のみき
もう怖くはないですね。
みき
え?
大人のみき
まず走馬灯仮説ですが、
図書館に行ったことはありますか?
みき
……? は、はい。
大人のみき
催眠術を使って、夢を見ている人に、
寝てるままで質問する実験があります。
みき
はい。
大人のみき
本を読んでる夢を見てる人に、その本を
読み上げてくれと頼むと、どうなると思います?
みき
事前に暗記してる本とかならできるかもしれません
けど……そうでないと難しいでしょうね。
大人のみき
その通りです。実験でも、読めませんでした。
大人のみき
人間の脳の処理力には限界がありますから、
夢の本を一字一句読み上げるのは無理なのです。
みき
そっか。これが走馬灯なら……
図書館に行けばわかる。
大人のみき
図書館にある本の内容を、
全部自分で思いつくことは無理でしょうからね。
大人のみき
一文字ずつ本を音読し、書き写しましたが、
矛盾や、怪しい点は見当たりませんでした。
みき
でも、そういう夢を見てる可能性はないんですか?
大人のみき
ないとは言いませんが、それを言ったら、
すべてが疑えてしまいますからね。
大人のみき
もちろん、夢でなくても、仮想世界、
VR的なものである可能性はあります。
みき
はい。
大人のみき
仮想世界の弱点は物理演算です。世界が処理落ち
するようなことをすれば、違和感が出るはずです。
みき
たしかに……。でも、どうやったんですか?
あれ、そういえばこの前、山火事が……。
大人のみき
結論として、大規模処理に相当する出来事でも、
処理落ちなどのバグは見つかりませんでした。
みき
(あ、目をそらした)なるほど……。
大人のみき
仮想世界とするには、この世界はディティールや
処理が細かすぎるというのが今のところの結論です
大人のみき
もちろん、ここが超高度な仮想世界である可能性は
否定できませんけど。
みき
なるほど……。あ、魔法はどうでしょう。
みき
魔法なら、本物そっくりの夢を
作れるかもしれません。
大人のみき
たしかに、そういう魔法はあるようです。
大人のみき
夢見の水晶玉に、魔法の遊戯本。
専門の人に聞くのが良いでしょうね。
みき
わかりました。今度聞いてみます。
大人のみき
まだ怖いですか?
みき
あ、そういえば……あまり怖くないです。
みき
そっか……。私、エトワリアが怖かったんじゃ
なくて……わからないことが怖かったんだ。
みき
未来の私は物知りなんですね。
大人のみき
ちょっと、旅をしただけですよ。
みき
旅……?
大人のみき
ええ。世界が少しだけ平和になって、
大人のみき
好きなところに好きなだけ歩いていけるように
なりました。
みき
それは……うらやましいです。
大人のみき
ここなら、旅ができますよ。
みき
そっか……。
大人のみき
怖いこと、わからないことがあったら、手がかりが
見つかるまで歩いていけばいいんです。