不知道有没有火星
鏡（かがみ）の中から「おはよう、朝（あさ）だね」
いつも通（とう）り　表情は（ひょうじょう）最悪（さいあく）
ぎこちない笑顔（えがお）も　寝癖(ねぐせ)も　仕草（しぐさ）も
何もかも　嫌（いや）になるなぁ
理不尽だ（りふじん）な
伝（つた）えたいことなら　人並（な）みにあるけど
何一つも　言葉に　変わらない
俯（うつむ）き加減（かげん）に　今日も口籠（くちごも）る
「挨拶（あいさつ）もできないんだね　かわいそう」
庭（にわ）のハナミズキは綺麗（きれい）で
ただ羨（うらや）ましくて　見ていた
それに引（ひ）き換（か）えたなら　私は
本当、ダメな子（ね）だ
このまま　いなくなれたら
不思議（ふしぎ）なことに　この世界は
「普通（ふつう）なこと」が　難（むずか）しくて
言葉一つも　返（かえ）せないのが
バカらしくって　泣（な）いている
めくるめくような　勘違（かんちが）いを
繰（く）り返（か）して　嫌（きら）いになった
つぼみのままで　枯（が）れてく
未来に　言葉が見つからない
怖（こわ）がったような　変（へん）な顔
逃（に）げちゃうクセ　ダメだ、ダメだ
恥（は）ずかしくて　口を噤（つぐ）む
...ほんとう、嫌になるなぁ
凛（りん）と咲（さ）いた声で　笑える人がいて
花のような言葉を　交（まじ）わす
鏡（かがみ）の中から　途端（とたん）に責（せ）める声
「...私にはできないんだよ　ごめんね」
それは　絵（え）に描（えが）いたような世界で
ただ羨（うらや）ましくて　見ていた
邪魔（じゃま）にならないように　私は
私は　どうしよう
失（な）くしたい　失くせない　あぁ
溢（あふ）れ出（だ）した　自分自身（じぶんじしん）は
ひどく惨（みじ）めで　汚（きたな）くって
誰にも知られないようにって
部屋（へや）の隅で（すみ）　泣いている
「失（な）くさなくても　大丈夫」って
不意（ふい）に声が　耳に届（とど）いた
魔法（まほう）みたいな　響（ひび）きに
なぜだか　言葉が見つからない
怖がってないで　声にしよう
言いたいこと　「話（はな）せ、話せ」
間違（まちがい）ったような　「泣声」が出（で）た
...ほんとう、バカだよなぁ
たどり着（つ）いたのは「未来」で
そう、色（いろ）めくような世界で
大人（おとな）になっていく私は
変わり続けていく
変わらない想いを
大事（だいじ）に　抱（だ）いていく
不思議（ふしぎ）なほどに　この世界は
「思い出す」のが　難（むずか）しくて
忘れたくない　言葉を
失くさないように　伝（つた）えて行く
いつか誰かと　この世界で
笑い合えたら　ちょうど良いなぁ
そんなことを　考（かんが）える
未来に　理由（りゆう）が見つかりそう
寝癖(ねぐせ)、直（なお）して　外（そと）に出（で）よう
今日もまた　一輪（いちりん）、映（は）える
鏡（かがみ）の中　咲（さ）いた花に
「おはよう」を　返（かえ）したら