氷川きよし、ビジュアル系に変身で大反響。演歌衰退でジャンルを広げる歌手たち
5/25(土) 8:47配信
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氷川きよし「限界突破×サバイバー」 (画像:公式動画より)
いま、ネット上で演歌歌手・氷川きよし(41)の“変身”が話題になっています。アニメ『ドラゴンボール超』の主題歌「限界突破×サバイバー」をライブで歌う動画が拡散され、ツイッターでトレンド入りするほどの反響を呼んだのです。
ふだんの股旅ものやムード歌謡から一点、ヴィジュアル系も顔負けのメイクをしてシャウトする姿に、驚きの声が多く寄せられました。なかでも、文学者で東京大学名誉教授のロバート・キャンベル氏(62)は大興奮した様子。「氷川きよしの身体に魔界の黒い天使が舞い降りて」とツイートし、すっかり妖しい魅力にやられているようでした。
氷川きよしは、5月25日(土)放送の『MUSIC FAIR』(フジ系、午後6時~)でこの曲を披露するそうです。
以前からJポップも歌ってきた氷川きよしですが、ここまで大胆なイメチェンは初めてかもしれません。こうした試みで、演歌歌手の歌の上手さを知る機会が増えるのはいいことですよね。
先細る「演歌」というジャンル
ただし、その一方で無視できないのが、確実に近づきつつある演歌というジャンルの寿命。こうした派手な話題の裏で、世知辛い事情も見え隠れします。
たとえば、NHK火曜の歌番組『うたコン』は、前身の『歌謡コンサート』からリニューアルして以来、だんだんと演歌の枠が減ってきています。ハウスバンドも若返り、出場歌手もJポップの若手が増えてきました。その中で出演する演歌歌手も、持ち歌以外では他ジャンルの曲を歌うケースや、けん玉をしながら歌わされたりと、なかなかシビアな構図がうかがえます。
客席を見渡すと、まだまだ高齢者が大半を占めていますが、若い世代の視聴者をつなぎとめたい局の方針もあるのでしょう。今後も演歌や歌謡曲にとっては逆風の時代が続きそうです。
他ジャンルに挑戦する演歌歌手たち
ただし、だからといって、演歌歌手が価値を失ってしまうかというと、そういうわけではありません。むしろ、その中で実力と華のある人は、今後ますます重宝されるのではないでしょうか。それは今回の氷川きよし然り、“歌怪獣”こと島津亜矢(48)然り。基礎をしっかりと持って、いつでも帰ってこられる演歌というホームがあるからこそ、安心して様々なジャンルに挑戦できる。
特に昨今の島津亜矢は圧巻です。コンサートではアン・ルイス(62)の「WOMAN」も歌っていましたし、スタジオライブの番組ではレディー・ガガ(33)の主演映画『アリー/スター誕生』の主題歌「Shallow」をいち早くカバー。
他にも、布袋寅泰(57)とコラボした石川さゆり(61)や、m.c.A・T(58)とヒップホップ民謡を作った藤あや子(58)なども、意欲的です。
さらに、テレビ番組で米津玄師(28)の「Lemon」を披露し、視聴者を驚かせた徳永ゆうき(24)にも注目したいところ。自身のYouTubeチャンネルでは、様々なアレンジで有名曲をカバー。独特な世界観で楽しませてくれます。
そんなわけで、歌は世につれ世は歌につれ、との名文句に違わず、演歌もまた形を変えながら残っていくのではないでしょうか。ロックスターと化した氷川きよしに、そんな未来形を見た思いです。
<文/音楽批評・石黒隆之>
【石黒隆之】
音楽批評。ipodに入ってる曲は長調ばかりの偏食家
女子SPA!
5/25(土) 8:47配信
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氷川きよし「限界突破×サバイバー」 (画像:公式動画より)
いま、ネット上で演歌歌手・氷川きよし(41)の“変身”が話題になっています。アニメ『ドラゴンボール超』の主題歌「限界突破×サバイバー」をライブで歌う動画が拡散され、ツイッターでトレンド入りするほどの反響を呼んだのです。
ふだんの股旅ものやムード歌謡から一点、ヴィジュアル系も顔負けのメイクをしてシャウトする姿に、驚きの声が多く寄せられました。なかでも、文学者で東京大学名誉教授のロバート・キャンベル氏(62)は大興奮した様子。「氷川きよしの身体に魔界の黒い天使が舞い降りて」とツイートし、すっかり妖しい魅力にやられているようでした。
氷川きよしは、5月25日(土)放送の『MUSIC FAIR』(フジ系、午後6時~)でこの曲を披露するそうです。
以前からJポップも歌ってきた氷川きよしですが、ここまで大胆なイメチェンは初めてかもしれません。こうした試みで、演歌歌手の歌の上手さを知る機会が増えるのはいいことですよね。
先細る「演歌」というジャンル
ただし、その一方で無視できないのが、確実に近づきつつある演歌というジャンルの寿命。こうした派手な話題の裏で、世知辛い事情も見え隠れします。
たとえば、NHK火曜の歌番組『うたコン』は、前身の『歌謡コンサート』からリニューアルして以来、だんだんと演歌の枠が減ってきています。ハウスバンドも若返り、出場歌手もJポップの若手が増えてきました。その中で出演する演歌歌手も、持ち歌以外では他ジャンルの曲を歌うケースや、けん玉をしながら歌わされたりと、なかなかシビアな構図がうかがえます。
客席を見渡すと、まだまだ高齢者が大半を占めていますが、若い世代の視聴者をつなぎとめたい局の方針もあるのでしょう。今後も演歌や歌謡曲にとっては逆風の時代が続きそうです。
他ジャンルに挑戦する演歌歌手たち
ただし、だからといって、演歌歌手が価値を失ってしまうかというと、そういうわけではありません。むしろ、その中で実力と華のある人は、今後ますます重宝されるのではないでしょうか。それは今回の氷川きよし然り、“歌怪獣”こと島津亜矢(48)然り。基礎をしっかりと持って、いつでも帰ってこられる演歌というホームがあるからこそ、安心して様々なジャンルに挑戦できる。
特に昨今の島津亜矢は圧巻です。コンサートではアン・ルイス(62)の「WOMAN」も歌っていましたし、スタジオライブの番組ではレディー・ガガ(33)の主演映画『アリー/スター誕生』の主題歌「Shallow」をいち早くカバー。
他にも、布袋寅泰(57)とコラボした石川さゆり(61)や、m.c.A・T(58)とヒップホップ民謡を作った藤あや子(58)なども、意欲的です。
さらに、テレビ番組で米津玄師(28)の「Lemon」を披露し、視聴者を驚かせた徳永ゆうき(24)にも注目したいところ。自身のYouTubeチャンネルでは、様々なアレンジで有名曲をカバー。独特な世界観で楽しませてくれます。
そんなわけで、歌は世につれ世は歌につれ、との名文句に違わず、演歌もまた形を変えながら残っていくのではないでしょうか。ロックスターと化した氷川きよしに、そんな未来形を見た思いです。
<文/音楽批評・石黒隆之>
【石黒隆之】
音楽批評。ipodに入ってる曲は長調ばかりの偏食家
女子SPA!